Respect Yourself/The Staple Singers

英語で言う“self-respect”というものはとても肯定的な概念です。しかし、日本語に訳そうと思うとだいたい「自尊心」という風になり、どうしてもニュアンスが少し悪くなります。これは文化的な違いによるものなのか、それとも単に表現方法の違いによる勘違いもあるのか、僕はそんな気がします。

本当は自分自身のアイデンティティ(これもいまひとついい日本語訳がないね)にプライドを持つことだと思っています。人権というのは基本的に他人のアイデンティティを尊敬(尊重)するという非常に単純であたりまえなことですが、当然社会が成立するため には皆が互いに尊敬しあう必要があります。

1971年の大ヒット曲 『Respect Yourself』でステイプル・シンガーズが歌っているように、他人の尊敬を得るためにまず自分のことを尊敬しなければならない、と。ただ、ここで「自分を尊敬」と言っているのは、自分を他人が尊敬できる存在にすることです。

「大統領の文句を言っても空気汚染が改善されるわけではない、咳払いをする時に自分の口に手を当てればとりあえず第一歩にはなるかも。名前すら知らない女性たちの前で汚い言葉を使って、それで本当の男だと思い込むほどの愚か者なのだね」という歌詞には説得力があります。

50年代から父と子供たちのゴスペル・グループとしてやってきた彼らはこの時期には「メッセージ・ソウル」とでも言える独自の地位を築いていました。

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THE ULTIMATE STAPLE SINGERS

 

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