タイ:ウイグル人の中国への強制送還 想像を絶する残酷な行為

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2025年3月 5日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:タイ
トピック:難民と移民

2014年からタイで拘束されていた約40人のウイグル人が2月27日、中国に強制送還された。中国に送還されたウイグル人は、深刻な人権侵害を受けるおそれがある。
タイ政府は、彼らの法的地位を明確にすべきだ。

ウイグル人がこれまでに受けてきた苦難は想像を絶する。中国での弾圧を逃れてやってきたタイでも10年以上もの間、恣意的な拘束を受けることになった。

中国・新疆ウイグル自治区では、ウイグル人をはじめとする漢民族以外の人びとが拷問や虐待、恣意的な拘束や強制失踪を受けてきた。そのような国への強制送還は、タイに逃れたウイグル人にとってあまりにも残酷だ。

タイ政府は、保護すべき人たちを故意に重大な危険にさらし、国際的にも国内的にも認められている「ノン・ルフールマン原則」を守るよう求めてきたアムネスティや国連専門家の要請を無視してきた。タイは、2024年10月に国連人権理事会の理事国に選出されたばかりだ。

アムネスティはタイと中国の両政府に対し、保護すべき人たちの所在を明らかにすること、そして、もし彼らが今も拘束されているのであれば、拷問などの不当な扱いを受けない権利を含め、彼らのあらゆる人権を尊重するよう強く求める。

拘束されていた人たちの多くは、何年にもわたる拘禁で著しく体調を崩している。当局は、彼らに適切で十分な医療を提供し、苦難に終止符を打ち、彼らの移動の自由の権利を尊重する必要がある。直ちに彼らの拘束を解き、家族と再会できるようすべきだ。

情報背景

新疆ウイグル自治区での迫害や差別を逃れてタイに入国したウイグル人約300人が、2014年3月13日にタイ当局に拘束された。そのうち109人が2015年7月に中国に強制送還され、今回は約40人が送還された。

アムネスティの調査で、中国政府が新疆ウイグル自治区のウイグル人に大規模で組織的な人権侵害を加えてきたことが明らかになっている。100万人を超えるウイグル人が強制収容所で残虐な扱いを受けている事態も確認した。

アムネスティは2021年の報告書の中で、中国政府が、新疆ウイグル自治区のウイグル人、カザフ人など大多数がイスラム教徒である民族に対して、拘禁、拷問、迫害の人道に対する罪を犯していることを指摘した。

国連の専門家グループは、2025年1月にタイ政府に宛てた書簡の中で、拘禁されている48人のうち23人が、糖尿病、腎機能障害、下半身麻痺、皮膚病、消化器疾患、心肺疾患などに苦しんでいると報告した。

深刻な人権侵害を受けるおそれがある国や地域への送還を禁ずる「ノン・ルフールマン原則」は、すべての国を拘束する慣習国際法でありタイも遵守しなければならない。

アムネスティ国際ニュース
2025年2月27日

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