ウクライナ:ロシアのウクライナへの全面侵攻から3年 被害者への正義は国際的な優先事項

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2025年2月27日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:ウクライナ
トピック:

ロシアによるウクライナへの全面侵攻から3年を迎える中、米露による和平協議が始まる。米国大統領が過去10年、特に過去3年間の歴史を書き換えようとしている今、この3年間でウクライナの人びとがどれほど苦難を耐え忍び、どれだけのものを失ってきたかを忘れてはならない。また、ロシアがウクライナに対して行ってきた破壊行為も思い起こすべきだ。

ウクライナの人びとの将来に関するいかなる交渉も、2014年のロシアの軍事侵攻以降に国際法に違反して行われたすべての犯罪に対する裁き、加害者の責任追及、侵略の犠牲者への補償を優先しなければならない。ロシアによる民間人への空爆や、子どもたちの強制的なロシアへの移送など、過去の苦しみは忘れてはならず、また、放置されてはならない。ロシアの侵略戦争で最も大きな影響を受けた人びとの声を聞き、人びとのニーズに応えるべきであり、この点を考慮しない交渉結果は、長期的には失敗に終わるだろう。

また、現在進行中のロシアによる人権侵害をただちに終わらせ、正義をもたらすという確かな保証がない限り、性急な「和平合意」は被害者の苦しみを長引かせるだけであり、残虐な人権侵害の加害者たちを野放しにするだけである。人権侵害の被害者は、ロシアの治安部隊に拉致されたウクライナの一般市民、拷問を受け違法に有罪判決を受けた捕虜、ウクライナ語をオンラインで学んでいるために脅迫されている子どもたち、ロシア占領下のウクライナの学校でロシアのカリキュラムで強制的に働かされている教員、ロシアが占領地域の人口動態を変えようとしているために残忍な弾圧にさらされているクリミア・タタール人やその他の少数民族などだ。

ルビオ米国務長官は先週、「持続可能で永続的な形で戦争を終わらせたい」というトランプ大統領の考えを示した。ウクライナに永続的な平和をもたらすという約束は、言葉ではなく行動で示さなければならない。戦争犯罪や国際法に基づくあらゆる犯罪の容疑者に対する責任追及と裁きのためのあらゆる手段を支援することも、その行動に含まれるべきである。

背景情報

アムネスティは、2022年2月24日にロシアによる全面侵攻が始まって以来、ウクライナで国際人権法および国際人道法に違反する行為が広範に行われてきたことを記録している。その中には、戦争犯罪に相当するものや、おそらくは人道に対する罪に相当する行為もある。ロシアによるウクライナへの全面侵攻は侵略行為であり、これは国際法違反の犯罪だ。無差別兵器を使い続け、意図的に民間人を標的にしており、こうした戦略や戦術により、広範囲にわたる人びとの苦しみが生じ、子どもたちや高齢者など最も弱い立場にあるウクライナの人びとに深刻な影響を与えている。

2023年3月以降、国際刑事裁判所(ICC)は、ウラジーミル・プーチン大統領と複数のロシア高官に対して逮捕状を発行した。トランプ政権が交渉による解決に重点を置いたことでこの戦争への注目が再び集まっているが、トランプ大統領は2月初めにICCに対し制裁を課す大統領令を発令した。この行為は、ウクライナをはじめとするさまざまな国における国際的な犯罪の被害者、生き延びた人びとの権利を損なうものだ。

アムネスティ国際ニュース
2024年2月24日

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