- 2025年1月21日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:米国
- トピック:企業の社会的責任
米国の最高裁判所は、TikTokを運営するバイトダンス社と中国政府との関係が疑われるとして、国家安全保障上の理由から、TikTokの利用を禁止する政府の決定を支持した。
TikTokの禁止は、情報を求め、受け取り、発信する表現の自由を不必要に制限する一方で、バイトダンス社やグーグル社、メタ社などの大手テクノロジー企業の監視に基づくビジネスモデルが招く人権リスクや被害への対処にはならない。
米国当局は、恣意的な禁止措置を取るのではなく、すべてのテクノロジー・プラトフォームに対し、デジタル時代におけるすべての人びとの人権保護に向けた規制を導入すべきだ。
大量のデータ収集やソーシャルメディアのアルゴリズムの危険性は、よく知られている。例えば、メタ社のプラットフォーム上での憎悪の増幅やTikTok上での有害なコンテンツが若者の精神衛生に及ぼす影響などだ。
政権交代が迫る中、アムネスティは規制当局に対し、大手テクノロジー企業の監視ビジネスモデルの構造的問題への取り組みに引き続き焦点を当て、人権を尊重するオンライン環境を確保するよう強く求める。
またTikTokに対しては、慎重に扱うべき個人情報を使用して中毒性のあるタイムライン(投稿された内容を時系列やおすすめ順で表示する機能)をやめるよう呼びかけている。
背景情報
米国最高裁判所は1月17日、バイトダンス社が2025年1月19日までに米国での事業を米国認定の買い手に売却しない場合、国家安全保障上の理由からTikTokの運用を禁止する法律を支持した。
この禁止令により、アプリストアから国内の1億7000万人以上のユーザーへのTikTokの配信ができなくなる。
2023年、アムネスティは、TikTokを利用する子どもや若者が受けている虐待を取り上げた2つの報告書を発表した。一つ目は、TikTokが若年層の注目を集めるための対応が、精神衛生上の問題を悪化させる可能性について詳述した。もう一つはTikTokのデータ慣行がユーザにとっていかに有害であるかを検証している。
これらの報告書は、人権よりも自社の利益を優先し、プライバシーの権利を侵害するビッグテック企業のビジネスモデルを暴くアムネスティの取り組みの一環だ。
アムネスティ国際ニュース
2025年1月17日
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