中国:香港で民主派45人に実刑 司法の弾圧

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2024年11月29日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:中国
トピック:

国家安全維持法の下で国家転覆を図ったとして、野党関係者45人が最高10年の実刑判決を受けた。

政治的動機に基づく裁判で有罪判決を受けた者は、1日たりとも刑務所に収監されてはならない。ましてや長期の刑を言い渡されることがあってはならない。

数カ月前、アムネスティは有罪判決を民主派に対する「非情な粛清」と呼んだが、今回、その指摘が現実のものとなった。判決は、軽減措置や適正手続きの尊重を装いつつも、香港政府の反対派を罰し、反対派に追随する者を威嚇する意図があるのは明らかだ。

厳しい判決は、香港の司法制度の深刻な状況を浮き彫りにしている。

45人は人権を行使しただけで、国際的に犯罪と認められた行為を行ったわけではない。アムネスティは、有罪判決を受けた全員の即時、無条件の釈放をあらためて求める。

背景情報

2020年6月に施行された国家安全維持法に基づき、かつてない人数の47人が国家転覆を理由に起訴された。47人のうち31人が容疑を認め、無罪を主張した16人中2人が無罪になった。

47人の起訴は、2020年の立法会選挙に向け、所属政党独自の「予備選挙」の実施に関係していた。

キャリー・ラム行政長官(当時)は、「予備選は違法で、数週間前に制定された国家安全維持法に抵触する可能性がある」と警告した。新型コロナウイルス感染症を理由に予備選挙が延期され、その後、中国政府は立候補者を厳しく審査する新たな選挙制度を導入した。

各政党が選挙の候補者を選ぶために実施する予備選を、香港の存続、領土保全、政治的独立に対する脅威とみなすのは、国際人権法が定める国家の安全に関わる基準とは相容れない。

2020年以降、香港の人権状況は劇的に悪化し、国家安全維持法や植民地時代の扇動法違反で約300人が逮捕されてきた。今年3月に国家安全維持条例が成立されたことで、反対派に対する弾圧は一層強まり異論が封じられている。

アムネスティ国際ニュース
2024年11月19日

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