リビア:「道徳」名の下でのベール着用強制をやめよ

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2024年11月21日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:リビア
トピック:女性の権利

トリポリに拠点を置く国民統一政府(GNU)のエマド・アル=トラブルシ内務大臣は11月6日の記者会見で、女性のベール着用を強制する「道徳警察」の設置計画など、女性や少女への差別をさらに根付かせ、表現、宗教、信条の自由、身体的自律性の権利を侵害する広範な措置について説明した。

「道徳」の名の下に基本的自由を取り締まるアル=トラブルシ大臣の強硬な政策は、社会規範にこだわらない人びとが直面する息苦しいほどの抑圧が一層強まることを意味する。

9歳以上の少女や女性にベールの着用義務を課し、男女間の交流を制限し、若者が好む髪型や服装を取り締まるのは、非常に憂慮すべきであるだけでなく、リビアが負う国際法上の義務にも違反する。

女性の権利と平等を否定する内務大臣は、女性が国外に出る際、男性「保護者」の許可の義務付けを提案し、保護者の許可なく旅行した女性2人をチュニジアから強制的に帰国させたことを誇示した。同氏はまた、公共の場や職場、社交場を「道徳警察」に監視させるという、個人のプライバシー、自律性、表現の自由の権利を著しく侵害する計画を明らかにした。

国民統一政府は、こうした抑圧的な規制の実施を停止し、大規模な恣意的拘束、強制失踪、拷問、不公正な裁判などの人権の危機に対処する必要がある。また同政府は、表現、結社、集会の自由の権利を擁護し、ジェンダーに基づくあらゆる形態の暴力や差別に闘う施策を講じなければならない。

背景情報

アル=トラブルシ大臣はかつて、難民や移民の強制失踪や拷問などに関与する悪名高い公共安全機関の民兵組織を率いていたことがあった。

アムネスティは、リビア当局が国際法上の犯罪に加担した民兵の指導者を昇格させ、指導者の過去の行為を正当化し、説明責任の追求どころか犯罪の拡大を助長してきた事実を長年にわたる調査で明らかにしてきた。

アムネスティ国際ニュース
2024年11月8日

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