- 2023年12月26日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:中国
- トピック:
香港警察は、国外にいる元民主派活動家5人を指名手配し、有力情報の提供に100万香港ドル(およそ1,800万円)の懸賞金を提供するとした。また、すでに懸賞金の対象となっていた在外活動家を支援した罪に問われている4人も香港で逮捕した。
一連の香港当局の対応は、当局による人権の侵害や制約が国外に波及していることを示している。「西部開拓時代」のように活動家の首に懸賞金をかけるという露骨な手段が、反対意見を封じる手段の選択肢として浮上した模様だ。
懸賞金は、対象となった活動家の自由と安全を脅かすだけでなく、どこにいても身の安全を脅かされている他の人たちにも幅広く影響する。国家安全保障の名のもとでの懸賞金の呼びかけは、国境を越えた威嚇行為であり、居住国を問わず異議を唱える声を封じ込む狙いがある。
当局は、この馬鹿げた、危険極まりない懸賞金を直ちに撤回し、亡命活動家を支援したとして拘束されている人たちを釈放すべきだ。懸賞金の対象となった活動家の受け入れ国は、活動家の権利を保護し、人権侵害を受けた場合は救済することが求められる。
活動家は人権を行使しているだけであり、香港当局による海を超えた迫害から保護されるべきだ。
背景情報
懸賞金をかけられたのは、サイモン・チェンさん、フランシス・ホイさん、ジョーイ・シウさん、ジョニー・フォクさん、トニー・チョイさんの5人。チェンさんらは、国家安全維持法(国安法)の「分離独立扇動」と「外国勢力との共謀」の容疑に問われていて、終身刑を言い渡されるおそれがある。
香港警察は7月にも8人に100万香港ドルの懸賞金をかけており、国家安全維持法のもとで懸賞金の対象となったのは、これで13人となる。
8人は、ネイサン・ローさん、アンナ・クォックさん、フィン・ラウさんの活動家3人、元議員のデニス・クォックさん、テッド・ホイさん、弁護士で法学者のケビン・ヤムさん、組合活動家のムン・シウタットさん、コメンテーターのユアン・ゴンイさんで、米国、英国、豪州のいずれかに亡命しているが、「外国勢力との共謀」の容疑にも問われている。
国安法違反の「逃亡者」として懸賞金がかけられている13人のうち2人は、現在居住する国の市民権を持っている。
また12月14日、クラウドファンディングで亡命者を資金援助した容疑で香港にいる4人が逮捕された。
香港の国安法が2020年6月に施行されて以来、香港の人権状況は劇的に悪化し、表現の自由、集会、結社の自由などへの弾圧が続いている。
香港当局は、当局が認めない外国の組織や個人との連携を「外国勢力との共謀」と同一視しする。警察当局は、活動家と外国の関係者との日常の、なんら悪意のないやり取りを「国家の安全を脅かすおそれがある行為」とみなしている。
アムネスティ国際ニュース
2023年12月14日
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