- 2023年10月26日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:メキシコ
- トピック:
2014年9月にメキシコ南部ゲレロ州アヨツィナパの教員養成学校の学生43人が失踪してから9年が経った。これまでの捜査に多少の進展はあったものの、この数カ月間、当局は被害者家族が求める真相解明の障害となる対応を取ってきた。
オブラドール大統領は事件を担当してきた元検事に嫌疑をかけ、人権擁護の要になる団体を攻撃し、事件への軍の関与の可能性を否定してきた。その結果、被害者家族や市民の間で不信感が一層拡大した。
アムネスティはここ数カ月、この事件の解明に多数の障害が持ち上がり、捜査が頓挫する可能性を懸念してきた。
独立した立場の専門家グループは、事件に関わった犯罪組織内でのやり取りの傍受記録などの開示を求めてきたが、国防省は情報開示を拒否した。国がますます軍事化する中、問題解決に不可欠な情報の不開示は極めて深刻な問題と言える。
学生失踪事件は、国の軍事化が治安問題の解決にはならないことを示している。当局には透明性と説明責任、人権の遵守が強く求められている。
また昨年、事件の特別捜査・訴訟部を率いてきた検事が連邦検事総局の不当な干渉を糾弾して辞任したことも懸念される。
オブラドール大統領は、この失踪事件の真相解明に尽力するどころか、解明につながる情報の提供を拒否して強い批判を受けた軍を支持する姿勢を崩さない。その一方で、被害者を支援する市民団体を批判している。
大統領は定例会見で、検事局内の「反乱」に加わるなど捜査怠慢の疑いで前検察官を取り調べていると述べた。
アムネスティは、関係当局に被害者家族への失踪事件の真実・正義・賠償の保障、国防省が捜査で得た証拠の開示、特別捜査部の前検事への嫌疑取り下げ、被害者支援団体への中傷と誹謗の停止を強く求める。
アムネスティ国際ニュース
2023年10月2日
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