- 2023年5月10日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:アフガニスタン
- トピック:女性の権利
国連安全保障理事会は4月27日、アフガニスタンの女性や少女の権利を侵害する制限の即時解除をタリバンに求める決議を全会一致で採択した。同国の事実上の政権タリバンはこれまで、法令で女性のNGOでの就業を禁止していたが、4月5日には、この法令を拡大適用して国連での勤務も認めないと告知していた。アフガニスタンが未曾有の人道危機にある中でのことだった。
同国では、問答無用で女性の人権が侵害される事態が続いてきた。タリバンは安保理決議を遵守し、労働や教育の権利を含む女性や少女の権利の否定や制限を直ちに撤廃し、女性の権利を擁護するとともに、権利を要求して拘束された女性たちを釈放すべきだ。
今回の安保理決議でアフガニスタンの人権状況が前進する可能性があるとはいえ、決議は、女性の権利を侵害した加害者の責任を問うことを求めていない。また、女性や少女が権利を回復する上で、あるいはタリバン政権に著しい権利侵害の責任を取らせる上で、安保理がとるべき具体策を示していない。
アフガニスタンは国際人権法上の義務を負ってはいるが、これまでの同国の取り組みは、タリバンの人権侵害に歯止めをかけられていない。今回の安保理決議は、女性らの権利は普遍的かつ不可侵であり、交渉の対象ではないと明確に主張する国際的圧力を伴うものでなければならない。
背景情報
アムネスティはこれまで、タリバンの人権弾圧により、アフガニスタンの女性や少女の生活が、極めて荒んだ状況に追いやられていることを調査で明らかにしてきた。2021年8月にタリバンが政権を掌握して以来、教育、労働、自由な移動に対する女性や少女の権利が侵害され、家庭内暴力から逃れる人たちの保護や支援の体制は崩壊し、差別的な規則にわずかでも違反した女性や少女が拘束されている。その結果、幼くして結婚を強いられる少女が急増している。
アムネスティ国際ニュース
2023年4月27日
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