- 2023年2月15日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:
- トピック:気候変動と人権
BP、エクソンモービル、シェル、シェブロンなどの石油大手が、2022年度決算で軒並み過去最高益となっている。化石燃料産業は衰退の道をたどるはずなのに、ロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギー価格の上昇で記録的な利益を上げているのだ。
石油大手が巨額の利益を手にすることは、まったく正当化できない。気候にとっても、燃料コスト高騰の影響を受ける何百万という人びとにとっても、計り知れない災難と言える。化石燃料の企業は、人権面でもエネルギー転換を図る上でも速やかに市場から退場する必要がある。
各国は当面、これらの大手が得る巨額利益に相応の課税をすることで、社会の周縁にいる人びとのために物価抑制に向けた手立てを取り、世界の多様な危機の中での人権の保護につなげなければならない。
背景情報
BP、エクソンモービル、シェル、シェブロン、この4社の2022年の利益の総額は、1500億米ドル(およそ19兆7千億円)を超える。この数字は、ほとんどの国の経済生産高を上回る。巨額利益の背景には、各企業が数十年にわたり気候変動対策や規制に反対してきたことがある。その間、世界では不平等、貧困、食糧難が深刻化してきた。
IMF(国際通貨基金)によれば、今年、世界の国の3分の1が景気後退に陥る。貧困と不正の根絶に取り組むNGOオックスファムの報告によれば、多くの化石燃料企業の最高経営責任者と投資家を含む世界の1パーセントの超富裕者が、2020年以降世界で新たに生まれた富の3分の2を手にしてきた。
アムネスティ国際ニュース
2023年2月6日