- 2023年2月13日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:フィンランド
- トピック:性的指向と性自認
フィンランドでは、トランスジェンダーの人びとが自認する性を認められるためには、さまざま検査や手続きを経なければならず、当事者に大きな負担を強いていたが、今回この要件を撤廃する法案が通過し、トランスジェンダーの平等に向けて大きく前進することになった。
これまでの法律では、法的な性別変更には、生殖できない状況にあることの証明や精神科医の診断などが要件となっていたが、113対69票で可決された新法では、それが撤廃された。生殖不能を要件とするのは、欧州人権条約とは相いれないものだった。
法では、成人の場合30日間の「考慮期間」を経て申請すれば、望む性を認めてもらえるようになる。トランスジェンダーの権利を守り、日常生活を改善し、その自己決定権の尊重をする上で、大きな一歩を歩み出すことになった。
今回の採択は、10年以上にわたる市民団体の運動の成果であり、運動に参加した人たちが長く粘り強く闘い続けてきたことの証でもある。
新法は大きな前進ではあるものの、まだ問題は残る。「性認証が認められるのは成人に限定される」という規定もその一つで、国連の子ども権利条約に違反する。フィンランド政府には、引き続き子どもを含めた権利保護に向けた法制度の改善を求めていきたい。
背景情報
アムネスティは、フィンランドのトランスジェンダー法の問題を2017年のライティングマラソン(毎年12月に行うアムネスティ最大の人権キャンペーン)で取り上げ、性認証手続きが人権を尊重する方向で容易かつ迅速に進められるよう、フィンランド当局に要請した。この活動には全世界で347,000人以上が参加した。
アムネスティ国際ニュース
2023年2月1日
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