- 2023年1月10日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:タンザニア
- トピック:
サミア・スルフ・ハッサン大統領は、野党が課されていた政治集会の全面的禁止措置を解除すると発表した。禁止解除の決定は評価に値するが、そもそもこの強権的な禁止令は発令されるべきではなかった。
これまで集会禁止措置で、集会を組織した野党議員らが恣意的に逮捕され、拘束されてきた。今回の禁止解除は、本来あるべき方向にようやく一歩踏み出したと言える。
政府には、集会、結社、表現の自由の権利を著しく阻害してきた「政党法」の廃止あるいは改正などにより、人権保護をさらに推し進めることが強く求められる。
また政府には、自然発生的なものを含めた集会の自由の権利を保護する義務がある。集会の開催や集会への参加は権利であり、政府の許可を必要とするものではない。
背景情報
2016年、当時のジョン・マグフリ大統領は、政党による政治活動や集会を全面的に禁止する措置を取った。この措置は、2020年の選挙が始まった時点で解除されるはずだったが選挙後も維持され、その後のハッサン大統領にも引き継がれた。
禁止措置のもと、政治家は選挙区で集会を開くことが制限された。しかし実際に制限を課されたのは野党だけだった。野党議員が自分の選挙区で集会を阻止された一方で、与党チャマ・チャ・マピンドゥージ党の議員は、選挙区外でも集会を開き、政治活動をすることが許された。野党の幹部は脅しや嫌がらせを受け、恣意的に逮捕され、中には違法な集会への参加や大統領令に違反する政治集会の開催などの容疑で訴追される人もいた。
タンザニアの議会免責・権限・特権法は、国会議員が選挙区で集会を開催する権利を保障し、政府が議員による集会の開催を促進するよう定めている。
アムネスティ国際ニュース
2023年1月3日
英語のニュースを読む
関連ニュースリリース
- 2019年12月11日 [国際事務局発表ニュース]
タンザニア:人権裁判所への個人訴訟を拒否 弾圧激化の懸念 - 2018年11月12日 [国際事務局発表ニュース]
タンザニア:同性愛摘発チームを設置