- 2022年3月16日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:中国
- トピック:
ミシェル・バチェレ国連人権高等弁務官は、5月に中国の新疆ウィグル自治区を訪問することで中国政府と合意したと発表した。
中国政府が、ウイグル人をはじめとするイスラム教徒に行ってきた人権侵害の責任を追及する上で、人権監視員による同自治区の訪問は、絶対に欠かすことができない。同時に、国連人権高等弁務官が独立した立場で制約なく訪問することも極めて重要だ。
これまで、外交官やジャーナリストの新疆ウイグル自治区訪問は、中国政府当局による徹底した管理のもとで行われてきた。また、同自治区の人権状況については長年、不正確で事実とは異なる情報を広める操作が中国政府当局によりなされてきた。
中国の関与で骨抜きにされた事実調査団は、結果的に人権侵害を隠ぺいすることになりかねず、国連が中国政府のプロパガンダに加担してしまうおそれがある。
国連人権高等弁務官事務所は、中国政府との合意内容について、訪問の範囲や領域を含めた詳細を開示すべきだ。また、新疆の人びとが、国連監視団に協力したことで不利益を被ることがないという実効性ある確約を中国政府に求めなければならない。
新疆ウイグル自治区の人権侵害に関する国連人権高等弁務官事務所の報告書が、まだ発表されていない。高等弁務官によると昨年9月にはまとめたという。今回の新疆ウイグル自治区訪問は、2年越しで決まったこととはいえ、この訪問で、報告書の発表が遅れるようなことがあってはならない。
背景情報
アムネスティを始めとする200近い団体が、高等弁務官に対し遅きに失する報告書の公開を督促している。
アムネスティ国際ニュース
2022年3月8日
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