- 2022年2月25日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:クウェート
- トピック:性的指向と性自認
クウェートの憲法裁判所は、トランスジェンダーを犯罪者扱いする「異性を真似る行為」の禁止(刑法第198条)は、個人の自由を保証する憲法に違反するとして、条項の撤廃を命じる判決を下した。
第198条は極めて差別的で、あいまい極まりなく、そもそも法律として認められるべきではなかった。この条項を否定した憲法裁判所の判決は、歓迎すべきであり、トランスジェンダーの権利の躍進に向けた大きな一歩となる。
判決を受け、クウェート当局は、この条項を破棄しなければならない。また、当局は、トランスジェンダーに対する法的根拠のない拘束を即刻やめ、トランスジェンダー嫌悪を象徴する同条項に基づく起訴や有罪判決をすべて、取り下げる必要がある。
また、治安当局の拷問を受けたという数々の申し立てを捜査すると同時に、第三者機関が治安当局の行為を監視する体制を作らなければならない。
背景情報
2007年、クウェート国民議会は刑法第198条の改正を決議した。改正により、公共の場でのわいせつとみなされる身振りや異性を摸倣する行為は犯罪とみなされ、最高1年の実刑と罰金を科されることになった。独断的な法改正だった。
2020年6月、2019年に異性摸倣の罪で7カ月間拘置されていたトランスジェンダー女性アル・ムタイリさんが、拘置中警官から強かんや暴行を受けたと訴える動画を動画サイトに投稿した。
2021年10月、女性は、電気通信法第70条と刑法第198条に基づき、実刑2年と罰金を言い渡たされたが、控訴し保釈された。
2021年12月、女性は、憲法裁判所に198条に対する異議申し立てを起こした。
アムネスティ国際ニュース
2022年2月16日
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