- 2022年1月19日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:ポーランド
- トピック:性的指向と性自認
聖母マリアの光輪をLGBTIの象徴であるレインボーで描いて起訴された3人の女性人権活動家に対する無罪判決の控訴が、退けられた。
3人は聖母の光輪をレインボーにしたポスターを掲示したことで「宗教的信条を害した」として2020年7月に起訴され、2021年3月に無罪を言い渡されたが、そもそも裁判にかけられるべきはなかった。このポスターの配布が犯罪になるはずはなく、無罪判決を不服とする控訴が棄却されたのは、当然だ。
この件は3人に対する捜査が始まった当初から、ポーランドでの人権否定の風潮を象徴する顕著な事例として注目を集め、25万人以上の市民が、当局に対し起訴の取り下げを要求した。
同国では、憎悪犯罪が増え、地方議会がLGBTIを排除する「LGBTIフリーゾーン」を導入し、プライドマーチを禁じる動きが広がる中、市民の表現や活動、抗議の自由は制限され、同性愛嫌悪の風潮も強まっている。
今回の件で国が後押しする同性愛嫌悪の醜悪さがあらわになり、また、人権擁護のために活動する人たちを狙い、脅したり嫌がらせをする手段として、当局が刑事司法制度を利用していることも明らかになった。
当局は、今こそ人権活動をする人たちへの魔女狩りをやめるべきだ。
アムネスティ国際ニュース
2022年1月12日
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