- 2021年11月18日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:サウジアラビア
- トピック:先住民族/少数民族
イベントを開催しようとしただけで容疑のないまま1年4カ月間、拘束されてきたエジプト出身のヌビア人男性10人が、起訴された。イベントは、第四次中東戦争に出兵したヌビア人兵士を追悼する目的でこれまでも実施されてきた。当局は、11月の公判前に全員を釈放し、容疑を取り下げなければならない。
10人はヌビア人の団体のメンバーで、サウジアラビアに長年住み、これまでも追悼行事を実施してきたが、トラブルはなかった。そもそも逮捕されるいわれはなく、即刻釈放されなければならない。
10人は不当に拘束されただけでなく、家族と定期的に連絡することも許されず、国選弁護人としか会うことが認められていない。10人のうち2人は高齢で健康状態が悪い。当局は、彼らが医療を受けられるようにし、家族との定期的な連絡と私選弁護人を認めなければならない。
今回のヌビア人の逮捕・拘束は、容赦のない人権侵害で知られるサウジアラビアの新たな汚点となる。
アムネスティは、政治改革を訴えたり、集会の自由の権利を行使したりしただけで拘束されている人たち全員の釈放を即時無条件に要求する。
背景情報
10人は2019年10月、追悼イベントの開始当日の朝に逮捕された。治安当局からは、イベントの告知ポスターにエジプト大統領の写真を載せなかったのは問題だと批判された。2カ月後に釈放されたが、昨年7月に再び逮捕された。
エジプトとスーダンに住む少数民族ヌビアの人びとは、他の民族との文化・民族・言語の違いから歴史的に疎外されてきた。長年、サウジアラビアのヌビア人は、政治的な問題から距離をおき、文化的、社会的活動に取り組んできた。しかし、2000年代初めから、先祖伝来の土地への帰還と補償を求めるようになった。
エジプトでは、ヌビアなど周縁化された地域の開発を伝統の保存を目指す地域の人びとの参画を得て実施することが憲法で定められた。その実現を目指して、昨年初めには、リヤドで40のヌビア人団体が結成され、エルシーシ大統領に憲法の順守とヌビア人の祖国帰還を認めるよう求めている。
アムネスティ国際ニュース
2021年11月9日
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