- 2020年2月13日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:ペルー
- トピック:難民と移民
© Daniel Martínez-Quintanilla/Amnesty International
エクアドルからペルーへの入国を目指すベネズエラ人庇護希望者が、国際的な庇護の要件を満たしているにもかかわらず、入国を拒否される事態が続いている。庇護希望者には、高齢者や同伴者がいない子どももいる。
ここ数年、ペルーはベネズエラ難民を積極的に受け入れ、安全な定住先を提供してきた。その寛容な国が、これまでの人道的な対応をかなぐり捨てるように、受け入れを拒否する事態になった。
ペルーは昨年6月から、さまざまな方策を取り、難民の入国を制限している。新たに導入された「人道ビザ」も、わずか1週間で役に立たなくなった。「人道ビザ」導入直後に、入国にはエクアドルの入出国スタンプを必要とするとしたためだ。
その結果、ベネズエラの庇護希望者の大半が、難民として認定されなかったり、「人道ビザ」を所持しているのに入国を拒否されたりする事態になった。
アムネスティは、難民申請を却下され、国境で足止めされているベネズエラの人たちの話を聞いた。
昨年10月にベネズエラを出国した男性は、母国で収入が激減し、家族を養っていけなくなったため、ペルーで稼いで妻子を呼び寄せるつもりだった。ところが、「人道ビザ」を持っているにも関わらず、入国を拒否された。
未曽有の危機が続くベネズエラでは、数百万人が食料や水などにも事欠く生活を強いられ、この数年でおよそ480万人が、国を離れた。
ペルーに住むベネズエラ人は80万人を超え、うち庇護希望者は約37万人だ。ペルーが、庇護を求めるベネズエラ人に人道的で寛大な対応を取ってきたことを示す数字た。しかし、最近は、入国受け入れ業務や手続きを変更するなど、ベネズエラ難民の流入を止める措置が目立っている。
生活環境の極度の悪化と広範な人権侵害が続く限り、他の国は、ベネズエラの庇護希望者を保護しなければならない。
ベネズエラから逃れてきた人々の大半は難民で、難民条約またはラテンアメリカのカルタヘナ宣言のいずれかの庇護条件を満たしている人びとであり、入国拒否は、違法である。
アムネスティは、ペルー政府に対し、引き続き国内外の人権義務を順守し、率先して庇護希望者の権利を擁護するよう求める。
同時に、他の国々は、ペルーなど受け入れ国に対する経済的・技術的支援を拡大し、難民支援責任を分担しなければならない。
アムネスティ国際ニュース
2020年2月4日
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