- 2019年8月27日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:エルサルバドル
- トピック:性と生殖の権利
エルサルバドルの裁判所は8月19日、死産で殺人罪に問われていたエべリン・エルナンデスさん(21才)に、無罪を言い渡した。
エルナンデスさんは、2016年4月に自宅で気を失い、病院に運び込まれた時には、胎児は死亡していた。その後、警察に通報され、逮捕・起訴された。
一審は、加重殺人罪で実刑30年の判決を言い渡したが、昨年の高等裁判所は、有罪判決を破棄、再審を命じていた。
この無罪判決は、エルサルバドルの女性たちにとって、素晴らしい勝利だ。妊娠合併症などによる流産や死産で、起訴してはならないということである。
この判決を機に、アムネスティは、エルサルバドルに対して差別的でやり切れない流産女性の犯罪人扱いを、今後一切止めるために、速やかに中絶禁止法を撤廃するよう求める。
背景情報
エルサルバドルでは、どのような場合でも妊娠中絶は違法とされるため、妊娠中の異常や合併症で流産や死産を経験した女性はしばしば、裁判にかけられ犯罪者にされる。アムネスティの連携する地元団体によると、現在、少なくとも19人が裁判中か、収監中だ。
2015年、アムネスティは、エルサルバドルの女性が、この作為的な刑法で女性が直面する問題を明らかにし、また、対象となる女性のほとんどが貧しい人びとであるという報告している。
アムネスティ国際ニュース
2019年8月19日
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