- 2019年7月 4日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:デンマーク
- トピック:女性の権利
デンマークの新政権は、同意がない性行為を強かんとする規定を法律に盛り込むことと決めたことが明らかになった。6月に誕生したばかりの新政権が、連立内での協議で公約した。
遅きに失する法改正であるとはいえ、一歩前進であり、声をあげた強かん被害者や法改正を求めて懸命に闘ってきた人びとには、待ちに待った朗報である。速やかな改正法案の提出と可決・施行が待たれる。
デンマークには、性暴力被害者が警察に訴え出る割合はごくわずかで、届け出たとしても、立件される可能性は極めて少ないという現状がある。最近の調査では、2017年に強かん(未遂を含む)の被害に遭った女性は、おおよそ24,000人だったのに対して、届け出件数はわずか890件、起訴に至ったのは535件、有罪となったのは94件にとどまった。
さらに新政権には、社会にはびこる強かんやジェンダーをめぐる偏見や固定概念を排除する取り組みが強く求められる。社会的偏見の排除には、制度的、社会的状況を変える取り組みのほか、性行為での同意をはじめとする、包括的な性と人間関係の教育が必要である。
欧州経済領域加盟国31カ国のうち、同意なき性行為を強かんと法律で定める国は、これまでわずか9カ国にすぎなかった。
昨年のスウェーデン、今年6月のギリシャでの法改正、さらに10カ国目となる今回のデンマークの動きにより、変化を求める機運は高まっていることは確かだ。
アムネスティ国際ニュース
2019年6月26日
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