- 2019年6月 8日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:イラン
- トピック:
人権活動などで罪を問われた人たちを弁護してきた弁護士、アミールサラー・ダヴーディさんが、実刑30年とむち打ち刑111回を言い渡された。ダヴーディさんの妻が6月1日、ツイッターで明らかにした。
ダヴーディさんは、スマートフォンのメッセージアプリで、あるいはメディアの取材時に、当局の人権侵害を公表したことが、治安混乱目的でのグループの結成の罪や最高指導者の侮辱罪などにあたるとして、3つ以上の容疑で起訴されていた。
人権侵害の暴露は、犯罪にはならない。当局は、ダヴーディさんを即時かつ無条件に釈放するべきである。
刑法は、3つ以上の罪で有罪となった場合、最も重大な罪に対する最も重い刑のみに服すると規定する。これに従えば、最も重い罪が「治安混乱目的でのグループ結成」で、その刑期は15年であるため、これがダヴーディさんの本来の刑期になる。しかし、当局は、国家の敵と見なす人権弁護士には、量刑さえも違法に決めるという徹底ぶりである。
最近、同様に不当な裁判で有罪を宣告された女性弁護士のソトデさんも、量刑基準では、17年になるはずが、38年を科され、その上、むち打ち刑148回を言い渡された。自由刑とともにしばしば科されるむち打ち刑も、国際法で禁止されている。
イランでは、昨年1月からすでに7人以上の弁護士が、嫌がらせを受けたり、逮捕されたりしている。また、裁判所はこの数年、人権派弁護士に対しては、より重い判決を下している。
アムネスティは、現在、EU諸国などイランと対話を進める国際社会に対して、イラン当局に人権派弁護士に対する弾圧を即刻やめるように求めている。
アムネスティ国際ニュース
2019年6月3日
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