- 2018年11月 6日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:オーストラリア
- トピック:難民と移民
オーストラリア政府はナウルの庇護希望者らを収容する施設から、子どもたち全員を施設外に移動させると発表した。
政府はこの発表で、国外での収容策は、失敗だったことをようやく認めたと言える。
看守や鉄柵に囲まれた環境の中で成長してきた子どもたちが受けてきた心理的な傷を癒すには、長い時間を要する。
多くのオーストラリア市民が、ナウルの収容所の環境に嫌悪感を表わしてきたが、政治家がその声にようやく耳を傾け始めた。
しかし、移動させられる子どもたちが今後どう扱われるのか、また、残された家族がどうなるのかなど、多くの課題が残る。
ナウルから移動させた子どもたちが、オーストラリア国内で引き続き収容されるようなことがあってはならない。アムネスティは政府に対して、子どもたちが問題なく社会に溶け込めるように支援することを求めている。心のケアも欠かせない。
また、家族が離散しないよう、子どもだけでなく、家族も全員、解放することが不可欠だ。
ナウルやマヌス島という国外の被収容者の多くは、劣悪な環境の中で精神的に追い詰められ、自殺や自傷行為が後を絶たない。事態は、日ごとに深刻になっているため、ナウルやマヌス島の収容所を出ない限り、この状況に歯止めはかからないだろう。
アムネスティ国際ニュース
2018年11月1日
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