- 2018年11月 6日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:パキスタン
- トピック:
パキスタン最高裁は、冒とく罪で死刑判決を受けていたアシア・ビビさんを無罪とする判決を言い渡した。
異なる宗教に対する寛容さの重要性を説く、画期的な判決と言える。
パンジャブ州に住むキリスト教徒のアシア・ビビさんは、ムスリム女性と議論中に預言者ムハンマドを侮辱する発言をしたとして、冒とく罪で2010年に死刑判決を受けた。控訴したが棄却され、最高裁に上告していた。
冒とく罪は適用範囲が広く、その内容は極めて曖昧で、証拠がなくても一度罪に問われると、無実の立証は至難だ。
また、冒とく罪に問われた被告を支援する弁護人や証人らは、多数派であるイスラム教徒市民から暴力や脅迫を受ける。今回では、ビビさんを支援していた州知事やキリスト教徒の閣僚が、怒りにかき立てられた暴徒に殺害された。
幸いにも、今回は正義が勝利した。
この判決を機に、冒とく罪を宗教的少数派に対する迫害にもう利用しないという考え方を世間に広げるべきである。
背景情報
自身のボディーガードに射殺されたパンジャブ州知事は、死刑判決後、収監中のビビさんに面会し、恩赦の申請を働きかけ、自身も釈放を求めて運動していた。
アムネスティ国際ニュース
2018年10月31日
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