- 2018年11月 2日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:米国
- トピック:難民と移民
トランプ大統領は、保護を求めて米国を目指す中南米の難民や庇護希望者の入国を阻止する大統領令を発令することを決めた。
国際法を無視するトランプ政権がこの政策を実施すれば、子どもを守るために母国を去らなければならなかった何千人もの家族が、国境で未曾有の大混乱に陥ることは必至だ。
トランプ大統領にとって、中南米諸国から危険な旅を経て米国にたどり着く難民らの苦難など、些細なことなのだ。今回の大統領令は、憎悪に満ちた難民政策の最たるもので、庇護を求める人たちを犯罪人扱いし、彼らを再び危険な母国へ送り返すことになる。
難民や庇護希望者は、米国の治安の脅威ではない。私たちと同じ人間でありながら、生きるために暴力や迫害から逃れざるを得なかったという運命を背負っているのだ。
彼らが求めるのは、安住の地だけだ。排除ではなく、思いやりを持って受け入れられるべきである。
アムネスティは10月25日、庇護希望者や移民の子どもたち数千人をテントに収容するテキサス州トルニージョの収容キャンプを訪れた。メキシコとグアテマラの国境にも調査員を派遣し、庇護希望者と難民が置かれている状況を視察し、両国の対応を調査して報告する予定だ。
トルニージョで目にしたのは、米国内ですでに起きている悲劇の縮図だ。米国当局は法が定める期間を超えて収容されている1,100人以上の子どもたちに対して、解放を早める手立てを直ちに取るべきだ。今回の大統領令案のような問題ある施策が通れば、子どもたちをこのまま見捨てることになる。
アムネスティはこの10月上旬、庇護希望者が国境で違法な追い返しを受け、深刻な問題に直面していること、また、離ればなれになった家族の数は、当初の発表をはるかに上回ることを指摘したばかりだ。
アムネスティは現在、世界中の会員や支援者に対して排他的な大統領令案や法案に反対する意見をSNSで発信するなどの行動を呼びかけている。
排他的法案が成立すれば、子どもたちは米国内にいる家族や後見人のもとで暮らすのではなく、無期限に施設に収容されることになる。
アムネスティ国際ニュース
2018年10月26日
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