- 2018年10月25日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:スイス
- トピック:難民と移民
難民認定を受けられなかった男性に手を差し伸べた牧師を犯罪容疑者として起訴するのか。検察当局は10月25日に決定する。
ノアバート・バレー牧師は、難民不認定のトーゴ国籍の男性に食事や寝場所を提供した。この手助けしたことが、外国人法が禁止する「不法滞在の手助け」に当たるとして、罰金(1000スイスフラン=約11万円)を命じられた。牧師が、罰金の支払いを拒否したため、起訴されるおそれが出てきた。
温情ある牧師を犯罪者扱いするなど、あまりにばかばかしい。困っている人たちへの親切心は、称賛されこそすれ、罪に問われることではない。今回の事態は、難民や庇護希望者を支援する人道的行為の排除にもつながる。
難民を支援して処罰されるケースは、残念ながら今回にとどまらない。
難民支援に入国管理法を適用した取り締まりが最近、欧州各国で頻繁に起きている。問題は、単に個人が起訴されるということだけではない。こうした取り締まりは、良識ある市民の行為を否定し、助け合いは無用だという空気を社会に生み出す。
バレー牧師は、難民支援は無用だという圧力に屈しない人たちの象徴的な存在だ。容疑は、取り下げるべきである。
アムネスティの担当者が10月25日、牧師への連帯を示すためにスイス西部の都市ヌーシャテルの検察庁前に立つ予定だ。
アムネスティ国際ニュース
2018年10月24日
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