- 2018年6月24日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:トルコ
- トピック:
アムネスティ・トルコ支部の名誉理事長、タネル・クルチュさんが逮捕されてから1年余りが経った。ようやく検察側の捜査報告書が公表されたが、その報告書でもクルチュさんの容疑を立証することができなかったことが明らかになった。
クルチュさんは、昨年6月6日にクーデター未遂を起こしたとされるテロ組織の一員だとして逮捕され、その後起訴された。容疑の主な根拠は、彼のスマホにテロ組織が使っていたメッセージアプリが入っていた、ということだった。
捜査報告書は、クルチュさんのスマホに入っていたアプリ名をリストアップしていたが、問題のメッセージアプリは、そこにはなかった。
この事実は、これまでに複数の第三者がそれぞれ裁判所に提出していた報告書の内容と合致した。
証拠を立証できなかったのは、驚くにはあたらない。問題は、なぜ報告書の作成に1年も要したかだ。その間クルチュさんは、ずっと勾留され、辛い思いをしてきた。
クルチュさんを含む11人の裁判は、6月21日に再開される。
彼が失った1年は、二度と戻ってこない。今回の裁判で、この不正義に終止符を打ち、彼を自由の身にするべきである。
2016年7月のクーデター未遂事件以来、トルコでは多くの人権活動家が拘束されてきたが、クルチュさんはその象徴的存在だった。今こそ、人権活動家に対する不当な弾圧をやめるべきである。
アムネスティ国際ニュース
2018年6月18日
【 続報 】
6月21日、審理が開かれ、裁判所はクルチュさんの勾留を延長するという決定を下した。検察側がこの日、新たに提出した報告書でも、スマホに問題のアプリがなかったことが確認されたにもかかわらずだ。
次回の審理は、11月7日が予定されている。
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