- 2018年5月16日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:スーダン
- トピック:子どもの権利
Noura Hussein Hamad © Private
スーダンの裁判所は、5月10日、夫婦間の強かんから身を守ろうとして夫を殺害した女性(19才)に死刑判決を言い渡した。強かんの被害者に残虐で非人道的な極刑を適用するという、甚だしく不公正で非情な判決である。裁判所は直ちにこの判決を破棄し、殺害に至った情状をくみ取って刑を減軽すべきだ。
小さい頃から教師になることが夢だったヌーラ・フセインさんは、16歳の時、意思に反して結婚させられた。父親がアブドゥルラフマン・モハメド・ハマドさんとの婚姻契約を結んだ。昨年4月、高校卒業と同時に、アブドゥルラフマンさんの自宅に無理やり連れていかれ、2人の生活が始まった。
彼女が床入りを拒否すると、夫は兄弟を呼んで彼女を押さえつけさせ、強かんに及んだ。翌朝も襲いかかられ、かろうじて台所に逃げ込んだヌーラさんは、刃物を手にした。その後のもみ合いで刃物が夫に刺さり、それが致命傷となった。彼女も噛み傷やひっかき傷を負った。
昨年7月の裁判で、裁判官は夫婦間の強かんを認めない時代遅れの法律を適用した。夫婦間の強かんを認めず、児童婚、強制結婚を容認する姿勢が鮮明になった。
アムネスティは、死刑に例外なく反対する。犯罪の種類や状況、犯罪の有無、個人の特質、死刑執行方法などを問わない。5月10日現在、106カ国がすべての犯罪に対し死刑を廃止しており、世界の3分の2以上の国が、法律上あるいは事実上、死刑を廃止している。
アムネスティ国際ニュース
2018年5月10日
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