- 2018年4月13日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:ベトナム
- トピック:
ベトナムは、東南アジアの中で、政府への批判的発言で投獄されることが特に多い国である。アムネスティの調べで、勇敢にも人権のために声を上げて、自由を奪われた良心の囚人(※)が97人いることが分かった。実際の数字は、もっと多いとみられる。
不当に拘束されているのは、弁護士、ブロガー、人権や環境保護、民主化などを推進する人たちだ。彼らは、あくまでも平和的手段で発言や訴えをしていたにもかかわらず、理不尽な裁判で実刑を言い渡された。多くは、長期の刑だった。
2017年、当局は反体制派への弾圧とインターネットの規制を強化して、多数のブロガーやソーシャルメディアの利用者を摘発した。
ベトナムでは広く知られたブロガーのグエン・ゴック・ニュー・クインさんも昨年6月、逮捕され、反国家宣伝罪で実刑10年を受けた。
4月5日には、別の6人の裁判が始まった。裁かれるのは、非公認団体の「民主主義のための同胞団」の5人とブロガーで、世界の国際団体にベトナムの人権問題を取り上げるよう呼びかけたり、農民や労働者を法的に支援してきた。6人は、これらの活動をめぐる国家転覆容疑で起訴された。有罪なら、終身刑か死刑を言い渡される可能性がある。
刑務所の環境は極めて過酷で、しばしば独房に入れられる。囚人は、拳や棍棒での暴行や電気ショックを受けたり、不自然な姿勢を長時間強いられたりする。弁護士や家族と接触することもできない。
当局は、6人の起訴を直ちに取り下げ、釈放すべきだ。また、受刑中の97人も釈放すべきだ。
※良心の囚人
暴力も用いていないのに、信念や信仰、人種、発言内容、あるいは性的指向を理由として囚われている人びとのことを、アムネスティは「良心の囚人」と認定している。
アムネスティ国際ニュース
2018年4月5日
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