- 2018年4月11日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:トルコ
- トピック:
トルコ支部名誉理事長(※)のタネル・クルチュさんが4月5日、収監されてから300日を迎え、世界中で同氏の釈放を訴える集会が開かれた。
クルチュさんは昨年6月6日、テロ組織の一員という根も葉も無い容疑で逮捕され、起訴された。容疑は、2016年のクーデター未遂事件を主謀したとされる「テロ組織」が利用していたソーシャルアプリをクルチュさんもダウンロードしたから、というだけだった。しかも、彼の携帯電話を調べた複数の専門家は全員、そのアプリが登録されていた形跡はなかったという。
勾留以来300日目を迎え、クルチュさんは、自分のために声を上げてくれた人びとへの深い感謝の気持ちを綴った手紙を寄せた。
「晴れた日も雨の日も、灼熱の日も凍てつく日も、多くの方々が私の勾留への抗議に参加してくれた。抗議の様子を撮った写真は、私の心を奮い立たせ、人権を守る闘いで国際的な連帯がいかに大切かを再認識させてくれた。拘置所にいると、自分は肉親や親しい人たちからも忘れ去られている、と思うものだ。しかし、私の場合は、忘れられるどころか、国を超えて人びとから覚えられるようになった。私に連帯してくれた世界中の支援者一人ひとりに、心よりお礼を申し上げたい。皆さんは、いつも私の心と祈りの中にいる」
勾留300日目の4月5日、世界中で抗議行動があった。ベルギーの落書きアート、夜を徹したチリのキャンドルライト、スイスの3万個の風船飛ばし、などなど。世界中の人びとがクルチュさんとつながり、トルコの過った司法手続きの停止と彼の即時釈放を求めた。
クルチュさんの勾留は氷山の一角である。弾圧によって意図的に市民社会を解体しようとする動きを浮き彫りにした、一つの象徴である。
次の審理は6月21日にある。有罪なら、15年以下の懲役刑を受ける。
アムネスティ国際ニュース
2018年4月5日
※クルチュさんは拘束当時、理事長だったが、勾留中に任期が切れ、その後、名誉理事長となった。
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