- 2018年2月28日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:シリア
- トピック:地域紛争
シリア軍と同盟国ロシア軍は、ダマスカス郊外の東グータ地区を激しく爆撃し、この1カ月で数百人の死傷者を出した。国営シリア・アラブ通信は、20日だけで市民5人を含む25人が負傷したと報じた。
空爆は、シリア政府による市民の狙い撃ちである。過去半年間、包囲網の中で悲惨な生活を強いられてきた市民が、今度は連日の集中砲火を浴びている。これは、意図的な民間人の殺傷であり、言語道断の戦争犯罪である。
国連安保理は、地区の包囲解除と民間人攻撃の停止、そして人道支援が制限なく行えるよう求めた決議を、今こそ執行すべきである。また、ロシアなど常任理事国は、残虐行為を終わらせ償いをさせる措置を阻止してはならない。
さらに、戦争犯罪や人道に対する罪を犯せば、必ず責任を問われることを強く示すことが肝要だ。シリアの壊滅的な事態は、国の残虐行為の責任が問われなかったせいで、市民が犠牲となった典型例である。
紛争当事者は、国際人道法の義務に従い、町からの脱出を望む市民には安全な退避路を用意し、人道支援団体には、支援活動が行えるように自由な出入りを許可することだ。
背景情報
これまでシリア政府は、東グータ地区で、国際法からみて違法な地区包囲や民間人殺害に手を染めてきた。禁止されているクラスター爆弾の使用もあった。
また、同地区を拠点とする反体制武装組織も、政府支配地域の住宅街を砲撃したり、東グータから他地域への市民の移動を制限するなど、国際人道法違反を犯している。
アムネスティ国際ニュース
2018年2月20日
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