- 2018年2月15日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:フィリピン
- トピック:
国際刑事裁判所(ICC)は2月8日、フィリピンの「麻薬撲滅戦争」に関する予備調査を開始すると発表した。
この調査は、同国の司法の正義と説明責任を問う上で極めて重要であり、調査結果は、政府の麻薬撲滅戦争の犠牲者にかすかな望みになりえる。
ドゥテルテ大統領が誕生して以来、麻薬撲滅の名の下で治安当局は、殺害や超法規的処刑を行ってきた。この犯罪行為は、人道に対する罪といえる。残念ながら、フィリピンはこれまで、殺人を犯した警官を自ら裁判にかける意思も能力もないことを示してきた。そうなれば、犠牲者の希望は、ICCにかかっている。
今回の発表は、殺人を含む人道に対する罪を命じたり、あおったりする国の指導者に対する警告である。国際法のもとで捜査され、罪を逃れることはできない。
背景
アムネスティは、昨年1月と12月の2度、「もしフィリピン政府が、麻薬捜査を巡る殺人行為の排除に向けた実効性ある措置を取らなければ、ICCは国際法に基づき予備調査に着手すべきだ」と提言した。
また、アムネスティは、警官による超法規的処刑を直ちにやめさせ、大統領や政府高官による処刑の扇動や奨励をなくすよう求めてきた。 しかし、これまでフィリピン当局は、この要請をほとんど無視してきた。
アムネスティ国際ニュース
2018年2月8日
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