- 2018年2月 8日
- [公開書簡]
- 国・地域:日本
- トピック:死刑廃止
2018年2月8日
東京高等検察庁 稲田伸夫 検事長 殿
公益社団法人 アムネスティ・インターナショナル日本
理事長 庄司 香
袴田巖さんの再審の早期実現を求める要請書
アムネスティ・インターナショナル日本は、東京高等検察庁に対し、袴田事件の再審実現に協力し、袴田巌さんと彼の家族の長期にわたる苦痛を一刻も早く終わらせるよう強く求めます。DNA鑑定や提出された新たな証拠にも基づき、今こそ司法の正義を実現すべきです。
袴田巖さんは、逮捕時から数えて実に47年以上も拘禁され、現在81歳の高齢です。独居房の中で来る日も処刑の恐怖にさらされてきた心理的苦痛は、想像に余るものです。また、長期間の身体拘束による心身への影響は釈放後の言動からも明らかであり、これ以上再審の開始を先延ばしにしてはなりません。
本事件は、取調べでの不公正な手続きや、証拠の妥当性などが問題となってきました。加えて、即時抗告審では新たに取調べ録音テープも開示されました。検察庁はこれらの客観的な事実にもとづき、再審開始を受け入れた上で、再審の実質的な審理の中でその主張を立証すべきです。
また日本政府は、静岡地裁が指摘した証拠のねつ造や違法捜査の疑いを重く受け止め、国連の勧告に沿った司法制度の改革をすすめなければなりません。そのための第一歩として、事実の検証を求めます。
アムネスティは、2008年に袴田巖さんを「危機にある個人」と認定し、公正な裁判を受ける権利の保障などを求めて支援を続けきました。袴田さんの再審実現を求める声は、広く国内外から届いています。私たちはあらためて、再審の早期実現に協力することを強く求めます。
以上
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