- 2018年1月24日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:イラン
- トピック:
イラン北東部ラザヴィ・ホラーサーン州の中央刑務所で1月17日、窃盗罪で有罪になった男性(34才)が、手の切断刑を執行された。国営新聞ホラーサーンニュースが報じた。
男性は6年前、同州の複数の村で家畜や貴重品を盗み、手の切断刑の判決を受けた。
このような残虐な刑罰は、正義とは言えない。人の尊厳を露骨に無視するイランの姿勢を表している。
身体の切断は拷問に当たり、拷問は国際法上の犯罪である。市民的および政治的権利に関する国際規約の締約国であるイランには、無条件で拷問を禁止する義務がある。
イラン当局はこれまで一貫して、切断刑は窃盗を防ぐ最良の策だと強弁し、国際的な非難で刑執行の公開や刑の幅広い適用ができない、と遺憾の意を表してきた。また、2010年10月の国連人権理事会では、イラン代表が、この種の刑罰は「文化的、宗教的に当然だ」として、身体刑が拷問に当たるとする見解を否定した。
しかし一方では、イラン国内でも身体刑のような残酷で非人道的な刑罰の廃止を求める運動が巻き起こっているが、当局は、刑に反対した聖職者や神学者ら市民多数を迫害してきた。
イランは、即急に身体刑を全廃し、更生重視の法制度に転換し、受刑者を人道的に扱わなければならない。
背景情報
昨年、同国では10件を超える身体刑が科された。
1月、ジャーナリストが警察のオートバイ押収件数を誤報したとして、むち打ち刑40回を受けた。
2月には、他の女性を失明させた罰で、女性が失明刑の判決を下され、5月には、婚外関係を持った女性が、遺体を洗浄する刑2年とむち打ち刑75回を受けた。相手の男性は、むち打ち刑99回を宣告された。
現地の人権団体によれば、過去10年間で少なくとも215の身体刑が科され、125が執行されている。そのうち少なくとも6つの執行が公開された。
アムネスティ国際ニュース
2018年1月18日
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