- 2017年10月 3日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:サウジアラビア
- トピック:女性の権利
サウジアラビア政府が、来年6月から女性に車の運転を解禁することを発表した。長年にわたり運転の権利を求めてきた女性たちに対して、国がようやく重い腰をあげた形である。遅きに失するとはいえ、同国の女性が自由に車を運転できるようになるとすれば、運動をしてきた勇気ある女性たちの勝利であり、歓迎したい。
ただし、これは一つの前進にすぎない。同国には、女性に差別的な法律や慣習が根強く残っている。例えば、女性の社会的な選択や決定の多くが、本人ではなく、父親、兄弟、夫、息子などの男性の後見人が決める。この制度をはじめとした差別的法律や慣習をすべて撤廃する必要がある。
同国では、最近また多数の人権活動家や国の批判者たちが逮捕された。市民への弾圧の勢いは、男女を問わずまったく衰えていないのだ。このことを忘れてはならない。女性の運転解禁は、一つの権利を認めただけのことであり、人権状況全般が変わったわけではない。
背景
国王令は、運転解禁の実施方法を検討する内務省、財務省、労働社会開発省の官僚からなる委員会を30日以内に設置するとしている。
しかし、勅令は来年6月23日にならなければ効力を発せず、しかも「既存の法令」に基づいて実施されるとするだけで、それ以上の説明はない。これでは、運転の解禁がどのように施行されるのか、など疑問が残る。
アムネスティ国際ニュース
2017年9月27日
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