- 2017年7月 7日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:中国
- トピック:危機にある個人
劉暁波さんと妻の劉霞さん © Private
中国当局は、末期がんの劉暁波(Liu Xiaobo)さんの緊急治療のための出国を認めないという、冷酷さを見せている。
7月5日、当局は、同氏の治療の支援に、ドイツと米国の医師を中国に招くと発表した。この招へいで、劉さんと妻・劉霞(Liu Xia)さんが希望する出国を認めないことに対する国際的な批判をかわそうとしている。
劉さんに与えられた時間はなくなりつつあるが、当局が卑劣な茶番を今やめるなら、遅すぎることはない。劉暁波さんが切望する治療を受けられるよう、国外への移動を直ちに認めるべきだ。
劉さんは6月26日に仮釈放され、瀋陽市の病院に移送された。そこで、妻とも再会できた。劉暁波さんの病状は深刻で移動には耐えられないという当局の説明に、家族は異議を唱えている。
元大学講師で民主活動家の劉暁波さんは、中国の政治改革を求める「08憲章」に共同で署名したために、2009年、国家政権転覆扇動罪で11年の懲役刑を受けた。
2010年にノーベル平和賞を受賞した劉さんに対して、当局は、新たな仕打ちとして家族や支持者に徹底した嫌がらせを加えた。外部との連絡を断つために、妻を7年間、違法な自宅軟禁に置いてきた。
当局による夫妻の扱いを巡り国際的な批判が増す中、複数の国が中国に対して、自国への受け入れと治療を申し出た。
6月29日には、アムネスティ・インターナショナル含むノーベル賞受賞者154人が、習近平国家主席に対して、2人の国外への移動の許可を求める手紙を送った。
社会を鼓舞する劉さんは、国家権力に対し正論を語っただけで罪を問われた。彼は1日たりとも投獄されるべきではなかった。
投獄という不正義に加え、末期になるまでがんと診断されなかったことは、大きな悲劇である。習近平国家主席は、今こそ正しいことを行い、直ちに劉さんを自由の身にしなければならない。
アムネスティ国際ニュース
2017年7月5日
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