- 2017年5月30日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:カメルーン
- トピック:「テロとの闘い」における人権侵害
不当な有罪判決を受けて拘禁されている学生の釈放を求めて、世界中から30万通を超える手紙や請願書が、カメルーンの大統領に送られている。
有罪を受けたのは、フォムソー・イヴォ・フェさんと友人のアフ・ニヴェル・ヌフォアさん、アザ・レヴィス・ゴブさんの3人。
2014年12月、フェさんは友人から次のようなメールをもらった。
「ボコハラム 14才以上の若者を急募 応募条件:宗教を含む4教科を修了していること」
これは、高学歴でなければ良い仕事に就けない厳しい現状を、学校の成績が優秀でなければ、ボコハラムにも入れない、と皮肉ったジョークだった。
フェさんは、このジョークを友人2人と共有した。このメールが教師の目に止まり、警察に通報され、3人とも逮捕された。3人は2015年1月から拘置所に入れられてきた。
彼らは2015年3月、刑法と軍法に従い起訴され、昨年11月、テロを非難しなかった罪で実刑10年の有罪判決を受けた。3人は有罪判決を不服として控訴した。控訴審は、6月15日に開かれる予定だ。
3人でジョークを交わしたに過ぎないにもかかわらず、10年の刑はあまりにも不当である。実刑で彼らの貴重な青春を奪うことが許されるはずもない。
アムネスティは昨年のライティングマラソンでこのケースを取り上げ、世界中から31万通以上の手紙が当局に送られた。
リチャード・ブランソンさん(ヴァージングループの創始者)やパトリック・エムボマさん(同国の元サッカー選手)ら有名人も、ライティングマラソンに参加し、手紙を書き、この裁判についてツイートした。
私たちは世界の31万人以上の人びとともに、当局に対し、学生たちが勉学を続け社会で活躍できるよう、彼らの釈放を求めている。
3人は、即時かつ無条件に釈放されるべきだ。今回のように、治安の名のもと、法律を乱用して罪を着せ、国の治安を保つことなどできるわけがない。
カメルーン当局は、ボコハラムの人権侵害から市民を保護する義務があるが、人権を尊重した上での保護でなければならない。不当に投獄された人たちは、即刻釈放されなければならない。
アムネスティ国際ニュース
2017年5月23日
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