- 2016年11月12日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:カンボジア
- トピック:
11月7日、プノンペンの裁判所が、野党議員のホン・ソク・フオさんに対し偽造と扇動の罪で7年の実刑判決を下した。カンボジアでは、表現の自由など基本的人権への抑圧が続くという憂慮すべき事態にあり、今回の判決でそれがさらにはっきりした。
野党カンボジア救国党の上院議員ホン・ソク・フオさんは、カンボジアとベトナム両国間の国境を解消する協定を交わしたかのような文書をフェイスブックに投稿したとして、偽造と扇動の容疑で起訴されていた。同氏は、昨年8月に逮捕され、裁判まで1年以上も勾留されていた。
与党カンボジア人民党は、いかなる異論も、いかに穏やかであろうと封じてきたが、今回の判決も、その一例である。
裁判は、政治的意図に基づいており、ファイスブック投稿で実刑7年という馬鹿げた有罪判決を再考するよう、アムネスティはカンボジア当局に強く求める。
同国も加盟する市民的および政治的権利に関する国際規約は、数ある権利の中でもとりわけ、表現の自由、法の下での平等、そして独立機関による公平な裁判を受ける権利を保障している。これらの権利は、カンボジアの憲法でも守られている。
来年の総選挙を控え、国際社会が同国政府に対して、国際的な人権義務を果たすよう圧力を強めることは、極めて重要だ。
国連人権高等弁務官事務所の存続を更新する覚書をめぐる交渉が続く中、国の報道官が「事務所は違法」だと宣言しており、状況は悪化している。同事務所は、カンボジアの人権推進にあたり極めて重要な役割を果たしており、その業務は制約なく続けられなければならない。
アムネスティ国際ニュース
2016年11月7日
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