- 2016年10月28日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:ガンビア
- トピック:
ガンビアが10月25日、国際刑事裁判所(ICC)から脱退すると発表した。南アフリカ、ブルンジに続くこの脱退は、世界中の何百万人もの犠牲者に大きな打撃となる。
他のアフリカ諸国は、大胆な正義に背を向ける動きに追随するのではなく、法的問題にICCと共に建設的な取り組みを呼びかけているボツワナなどのアフリカの加盟国に従うべきである。
ICCが有色人種、特にアフリカ人を迫害し侮辱しているというガンビアの情報相の声明はまったくの見当違いである。多くのアフリカ人にとってICCは自分たちが受けた犯罪を公正な裁きを期待できる唯一の機関である。
ICCの検事の一人はガンビア人であり、国際司法を擁護し世界にはびこる不処罰と闘っていることを考えると、ガンビアの発表は誠に残念である。
背景情報
現在の時点では、ガンビア政府がICCローマ規程からの正式脱退に向けた措置を取ったのかどうかは定かではない。脱退は国連への正式通知後1年を経ないと発効しない。また、規程から脱退しても同国は国際法の下で現在の責任を免れることはできない。
ガンビアはこれまでアフリカ地域の司法機関に協力してこなかった。ジャーナリストの拷問、殺人、失踪に関して西アフリカ諸国経済共同体司法裁判所が出した3項目の法的拘束力のある決定の履行を拒否しており、バンジュールに本部を置き現在開催中のアフリカ人権委員会との協力もできていない。
アムネスティ国際ニュース
2016年10月26日
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