- 2016年10月13日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:ヨルダン
- トピック:難民と移民
ヨルダンとシリア国境沿いの荒涼とした砂漠地帯に立ち往生する難民75,000人に、待望の人道支援が再開される。今後は、難民問題の解決に向け、持続的、長期的な取り組みが必要とされる。
今年6月、ヨルダンとシリアの国境で武力攻撃が発生し、ヨルダンの国境が封鎖され、シリア難民が国境付近で立ち往生してしまった。これまで、人道支援再開に道を開くため、国連とヨルダンが折衝を続けてきた。国境の封鎖後、現地に支援物資が届いたのは8月に一度だけという、地獄のような状況の中に難民は置かれてきた。
そんな難民にとって、支援が再開されるのは、待ち望んだ吉報である。しかし、支援物資はクレーンで吊られて国境をまたいで降ろされるか、難民が自分で攻撃を受ける可能性がある危険な所へ移動して受け取るしかないという話で、懸念を覚える。国際基準にもとづく、支援への自由なアクセスと複数の機関が関与する人道的対応が、今最も必要である。
地獄のような戦禍を逃れた難民を待っていたのは、数カ月にわたる、荒涼とした砂漠での、想像を絶する過酷な生活だった。食糧支援、救命医療などの支援は、現地への自由な出入りが前提である。それができないなら、一時しのぎに過ぎず、長期的には何の役にも立たない。
今回の危機対応には、持続的で長期的な取り組みが求められる。ヨルダンが流血の内戦から逃れた難民に安全な避難場所を提供するには、国際社会の支援を受けて現実的で実効性ある対応策が必要である。まずは難民の入国を認め、その際に必要な本人確認は国際法と国際基準に沿って行わなければならない。
国際社会は、最大級の難民受け入れ国ヨルダンの負担軽減策として、現在よりはるかに多くの移住先を提供することで、責任を分担しなければならない。
アムネスティ国際ニュース
2016年10月10日
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