- 2016年9月 8日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:コンゴ民主共和国
- トピック:
コンゴ民主共和国で、アムネスティが良心の囚人(※)とよぶフレッド・バウマさんとイブ・マカンバラさんの2人を含む民主運動活動家4人が、釈放された。釈放は歓迎すべきだが、容疑は晴れていないため、再度拘束される恐れがある。
言論の自由が厳しく制限される同国では、4人の釈放は数少ない明るいニュースだ。彼らの逮捕は政治的意図に基づくものであり、起訴を取り下げて彼らの苦しみを完全に終わらせるべきだ。
バウマさんとマカンバラさんは、釈放されるまで死刑判決を受ける恐怖を味わった。2人は昨年3月、他の活動家26人とともに、首長に対する陰謀の企てなど複数の容疑で逮捕され、起訴された。
クリストファー・エンゴイさんも釈放された。ジャン・マリエ・カロンジさんは、8月27日に釈放された。いずれも、キンシャサのマカラ刑務所に勾留されていた。
選挙を控えて異論への容赦のない弾圧が続く中、活動家や政治的指導者らが、司法権力の手で投獄されてきた。
エンゴイさんは1月21日、選挙実施の遅れに対する抗議行動での人権侵害を監視していて、逮捕された。刑務所に移される前の20日間、隔離拘禁された。民主化運動団体「第四勢力(La Quatrième Voix)」を創設したカロンジさんは、昨年12月15日に逮捕され、4カ月以上、隔離拘禁された。
バウマさんとマカンバラさんは、アムネスティの良心の大使賞を受けたユース団体「変化のための闘い(LUCHA)」のメンバーだ。彼らは逮捕後、非公表の場所で、マカンバラさんは40日間、バウマさんは50日間取り調べを受け、家族や弁護との連絡を認められなかった。
アムネスティのグローバルキャンペーン「ライティングマラソン」では、活動家や支援者らが、17万通以上の手紙とメッセージ、2人の釈放を求める署名を送った。
2人は、沈黙させられることに抵抗を続ける活動世代の代表だった。若い世代を平和的な運動に巻き込んだだけで死刑を受ける可能性があったとは、衝撃的である。
今回の釈放を契機に、当局は同国の良心の囚人すべてを釈放すべきである。
ビエンベヌー・ムツモさんとマーセル・カピテネさん、ビクター・テソンゴさんは、今年2月、カビラ大統領は2期で退任すべきだと反対派が呼び掛けた投票棄権のデモをする数時間前に逮捕された。法務人権大臣は8月26日、「釈放は間もない」と発表していたが、まだ投獄されている。
背景
釈放の11日前には、LUCHA代表団が大統領と接見し、仲間と政治集全員の釈放を求めた。
8月19日には、法務人権大臣が記者会見で釈放計画を発表した。また、反体制テレビ局2局に対する業務停止命令の解除を発表した。
現憲法では、大統領選挙は、任期満了の3週間以上前の実施を義務つけている。ジョセフ・カビラ大統領の2期目の任期は今年12月19日で満了となるが、選挙については今のところ何の発表もない。また、憲法では、2期以降の継続を禁止している。
※良心の囚人:暴力を用いていないのに、信念や信仰、人種、発言内容などを理由に不当に囚われている人
アムネスティ国際ニュース
2016年8月30日
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