- 2016年8月31日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:フランス
- トピック:女性の権利
フランス行政訴訟の最高裁に当たる国務院は8月26日、ブルキニ着用を禁止する措置について、その判断を覆す決定を下した。
宗教への偏見と不寛容がもとで生まれた差別的措置が、その偏見と不寛容を助長してきた。国務院の決定は、この措置を撤廃する好機である。
当局は、このような措置が女性の権利を守るという言い分を、即刻やめるべきだ。この措置は、女性が選択する権利を侵害し、表現の自由、宗教、非差別の権利に対する攻撃である。
これらの禁止は、公共秩序の推進に無力であり、市民に対する社会的屈辱を著しく助長するだけである。措置は差別的であるばかりでなく、これまでも見られたように、この措置の実施が、イスラム女性への人権侵害や侮辱的な扱いにつながる。
背景情報
南部の町ビルヌーブルベが、全身を覆う水着、ブルキニの着用を禁止する措置を取り、地方裁判所がこれを支持した。これに対して、国務院が、この決定への異議申し立てを支持する決定を下した。
同国では多くの自治体が、衛生上の理由や政教分離の原則を背景に、法令でブルキニの着用を禁止している。自治体によっては、テロリストによる脅威を考慮すると、公共の場で宗教的信条をあからさまにする服装は公共の秩序を乱しかねない、と法令で述べている。
これまでも同国は、文化的、宗教的服装を排除する各種の制限的法律を施行してきたが、ブルキニ禁止もその一つである。2004年には、明らかな宗教的シンボルの、公共教育の場での着用を禁止した。
アムネスティ国際ニュース
2016年8月26日
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