- 2016年8月17日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:エチオピア
- トピック:
信頼できる情報筋によると、8月6日から7日にかけて、オロミア州各地やアムハラ州の一部で、非暴力のデモに向けて治安部隊が発砲し、少なくとも97人が殺害され、数百人以上が負傷した。
両州では、政治改革、正義、法の支配を求めて、数千人がデモに参加していた。アムハラ州の州都バヒルダール北部では、1日で少なくとも30人が犠牲となる流血の惨事が起きた。これは超法規的殺害の可能性がある。
治安部隊の行動はひどかったが、予想はできた。これまでも、反政府派を抑え込むため、部隊をあげて力で対応する誤りを犯してきた。
これらの犯罪に対し、実効的な捜査を迅速、公平に行い、容疑者全員を一般の裁判所で、公正な裁判にかけなければならない。たたし、死刑に訴えてはならない。
情報では、バヒルダールで8月7日、治安部隊はデモ隊に発砲し、少なくとも30人を殺害した。8月6日には、ゴンダールでも少なくとも7人の命を奪った。
アジスアベバのデモでは死者こそ出ていないが、市の中心街で撮影された写真やビデオには、警察がこん棒でデモ隊を殴打している様子が映っていた。
オロミア州とアムハラ州では、数百人が逮捕され、警察や軍の訓練基地など本来の拘禁施設ではないところに勾留されている。
非公認施設では、被拘束者が拷問や虐待などの人権侵害をさらに受ける恐れがある。
デモで逮捕された人びとは、言論の自由の権利を行使したために不当に拘束されているのであり、全員、即時かつ無条件に釈放されるべきだ。
背景情報
オロミア州のデモは、州の一部を首都アジスアベバに統合するという政府の計画に反対して、昨年11月に始まったデモが発端となった。治安部隊による犠牲者は、州の複数の町、アンボー、アダマ、アサッサ、アウデイ、ギンビ、ハロマヤ、ネケムテ、ロベ、シャシャマネなどで報告された。
アムハラ州のデモは、今年7月12日に始まった。ウェルカイト郡の所属問題と自己決定権を訴える団体の指導者の一人が、テロ容疑で逮捕されようとしたことが背景にあった。
ウェルカイト郡は、ティグレ州にある行政区域で、与党エチオピア人民革命民主戦線(FPRDF)が1991年に政権をとる前まで、アムハラ州の一部だった。同団体はこの25年間、アムハラ州への復帰を求めて闘ってきた。
アムネスティ国際ニュース
2016年8月8日
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