- 2016年5月31日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:南スーダン
- トピック:
軍の拘禁施設で、数十人が換気の悪い輸送コンテナに閉じ込められている。食事は週に1、2度だけ、水も満足に与えられず、死と背中合わせの状況に置かれている。
あまりの過酷さに、拘禁されている人のうち数人が死亡していることが、アムネスティが得た情報で分かった。兵士たちが被拘禁者を定期的にコンテナの外に連れ出し、殴打しているという事実もあった。
人命を蔑ろにし、人を人とも扱わないこの拘禁は、人権基準を順守した環境を確保するまで直ちに停止し、施設は閉鎖されるべきだ。
拘禁施設は、首都ジュバから南におよそ20㎞のゴロムにある。アムネスティが入手した衛星画像には、2重のフェンスに囲まれた敷地内にL字型におかれたコンテナ4つが写っている。コンテナは、昨年11月にこの場所に運び込まれたという。
被収容者の多くは民間人で、犯罪行為で起訴されているわけではなく、以前の反政府軍で現連合内閣の一員であるスーダン人民解放運動・解放軍に関わったとして捕らえられている。彼らは、家族、弁護士や、裁判所にも接触できない。
全員を釈放、もしくは一般の裁判手続きを取るべきだ。また、収容する場合でも、民間人用の拘束施設にするべきだ。
アムネスティは軍の情報局長に対し、この収容所について、その収容環境、被拘禁者名、死亡者名などの情報を文書で求めた。
また、サルバ・キール大統領には、同収容所の状況を開示し、軍の最高司令官として同施設内の人権侵害を調査し、やめさせることを求める書簡を送った。
大統領は、収容所や軍情報部の拘禁の実態を第三者に調査させ、この慣行を改革し、拷問、死亡、強制失踪などに関わった者の罪を問うべきだ。
昨年10月に、ユニティ州で60人以上をコンテナ内で故意に窒息死させる、という事件があった。アムネスティは、2カ月前に、この事実の詳細を公表し、軍による非合法な殺人に終止符を打つよう要請したばかりであった。
アムネスティ国際ニュース
2016年5月27日
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