- 2016年5月12日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:メキシコ
- トピック:先住民族/少数民族
イルデフォンソ・サモラさんは、先住民族の土地と環境が侵害されたとして抗議の声をあげたところ、投獄された。抗議は地元の村落で違法な伐採が進められていたことに対するものだった。彼は何の罪も犯しておらず、即時かつ無条件に釈放されるべきだ。
環境を保護し、住民の人権を擁護することは、犯罪ではない。しかし、サモラさんは、窃盗容疑で逮捕され投獄された。有罪の根拠は、明らかにねつ造された証言にもとづくものだった。検察側の複数の目撃証言は、事前に用意された台本があったことを思わせるように、一語一句同じ内容だった。また、犯罪現場は保存されず、証拠の取り扱いはずさんだった。
サモラさんの投獄は、伐採反対運動に対する嫌がらせや脅迫の延長線上にあった。
2007年にはサモラさんの息子2人が襲撃された。1人は殺害され、1人は負傷した。両事件とも、犯人逮捕も真相究明も行われてこなかった。
獄中のサモラさんは、次のように述べた。「違法な伐採をやめさせるためにやってきた。そのために大きな代償を払った。息子の命と私の自由だ。地元のためになんとかしたい。違法な伐採で、この地球の大部分が破壊されているからだ」
メキシコでは、多くの人権擁護活動家や草の根市民運動家らが、同様の扱いを受けてきた。
サモラさんをこれ以上、苦しい獄中生活に置いてはならない。当局は、彼や家族に対する襲撃や迫害を加えた加害者の逮捕と真相究明に全力を注ぐべきだ。
アムネスティ国際ニュース
2016年5月9日
関連ニュースリリース
- 2023年10月26日 [国際事務局発表ニュース]
メキシコ:学生43人失踪 真相解明を阻む当局 - 2021年10月 1日 [国際事務局発表ニュース]
メキシコ:女性を標的とした殺人が多発 怠慢捜査でおびやかされる女性の命 - 2018年9月 7日 [国際事務局発表ニュース]
メキシコ:米国と難民協定を結んではいけない6つの理由 - 2018年3月23日 [国際事務局発表ニュース]
メキシコ:学生43人失踪事件 捜査の不正を国連が指摘 - 2018年1月12日 [国際事務局発表ニュース]
メキシコ:共同体自警団と警察との衝突で死者11人