- 2016年5月 2日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:メキシコ
- トピック:
2014年9月に起きた学生43人の強制失踪に関する独立専門家グループの報告は、メキシコの人権の歴史に新たなる汚点である。
米州人権委員会が任命した独立専門グループ(GIEI)によるこの報告書は、国が作成した報告書を否定している。同グループは、警察の捜査は本筋から外れ、証拠を改ざんし、強制失踪に関与した疑いがある役人を擁護し、自白を得るために容疑者を拷問したなどと、政府を厳しく非難している。被害者家族は専門家グループの権限の拡大と調査の継続を要請したが、政府はこれを却下した。
政府は、アヨツィナパの悲劇をひた隠しにしようと躍起になっているようだ。
また、学生たちの身内の保護や支援をせず、GIEIの権限拡大を却下した政府の姿勢を見ると、この国では誰もが失踪する可能性があり、この問題に関して手を打つ気はないのだと受け取れる。
2014年9月26日、メキシコ南部のゲレロ州にあるアヨツィナパ教員養成学校の学生43人が強制失踪に遭った。他に3人が拉致の現場で警察に殺害されている。この事件への政府の対応は、事実は隠ぺいするか無視して、非難が過ぎ去るのを待つだけというエンリケ・ペーニャ・ニエト大統領の人権問題への姿勢を如実に表している。
アムネスティ国際ニュース
2016年4月24日
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