- 2016年4月13日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:ミャンマー(ビルマ)
- トピック:
ビルマで多くの学生活動家が釈放された。この釈放は、人権尊重への一歩であり、新政権は、残る良心の囚人の釈放、さらに恣意的逮捕を助長する法律の改正・廃止への契機にすべきである。
タラワディ裁判所は4月8日、昨年3月の大規模な抗議活動で拘束され、収監の危機にあった学生多数に対する起訴を棄却した。
前日の7日には、新政権が「できる限り早急に良心の囚人全員を釈放するように最善を尽くす」という声明を発表していた。
今回の多数の学生活動家の釈放は、ビルマにおける人権にとって非常に大きな前進であり、彼らが街を自由に歩けるのは喜ばしいことである。そこには、政治的な逮捕と拘禁に終止符を打つという、新政権の強い意志が込められている。今後は、他の裁判所で公判中の学生を含む、すべての良心の囚人の釈放が待ち望まれる。新政権は、刑務所に良心の囚人を一人たりとも残してはならない。
もちろん、釈放は初めの一歩に過ぎない。国民民主連盟は、長い間反対意見の弾圧に利用されてきた、抑圧的な法制を改めなければならない。これらの法律が残っている限り、人権活動家らには、意見を述べただけで投獄される危険が残る。幸いなことに国民民主連盟はこれらの法律を廃止もしくは改正する必要性を認識しており、この認識に沿った取り組みを新政権に期待したい。
また、新政権は今回の恩赦で釈放された人びとへの、支援と精神的なケアを着実に提供する手立てを講じなければない。過去に不当に収監されていた人びとも同様である。
アムネスティは3月24日に公開した報告書で、2014年初頭以降に芽生えた表現・結社・平和的集会の自由が、残念ながら侵されていることを示す調査結果を明らかにした。この2年あまりで、数百人が逮捕、起訴、恣意的拘禁、政治的投獄などを受けてきた。対象になったのは、抗議する学生、政治活動家、メディア関係者、人権活動家、とりわけ土地や労働の権利の活動家らだった。当局は、新旧の法律を利用して抗議する人びとを弾圧し、さらにさまざまな手法で、長期間にわたり拘禁や投獄し、全土の人権活動家らに恐怖心を植え付けた。
アムネスティ国際ニュース
2016年4月8日
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