- 2016年3月26日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:ミャンマー(ビルマ)
- トピック:
ビルマ(ミャンマー)に新政権が誕生する。同国の人権状況を変える歴史的な好機である。長年にわたり恣意的な逮捕や弾圧を助長してきた著しく抑圧的な法制度から脱却しなければならない。
弾圧教本を思わせる国内法は、反対意見を封殺するために、ここ最近、特に乱用されてきた。
新政権は、政治的な動機に基づく逮捕を皆無にするために、法律の改革を優先的に行い、政府を批判しても決して逮捕されることがないようにしなければならない。また、政治批判で収監されているすべての人びとを釈放するべきである。
弾圧激化の過去2年
アムネスティは、人権活動家や弁護士、良心の囚人、その家族ら多数への聞き取りをもとに、批判的意見を徹底的に抑圧してきた過去2年の実態を調べ、報告書にまとめた。政府は、各種の手法と法律を駆使して弾圧を加えた。法律には、最近の新法から2011年以前の軍事政権時代のものまである。
ジャーナリスト、人権活動家、学生、労働問題や土地問題の活動家などさまざまな人びとが、意見を言っただけで、脅しや嫌がらせを受け、収監された。弾圧や逮捕は、昨年11月の総選挙以降も続いた。
アムネスティが得た情報では、収監されている良心の囚人は100人弱、勾留や公判中の人が数百人もいる。
変革の好機
国民民主連盟(NLD)の議員は、政権を取った時には人権問題を優先事項の一つにすると頼もしい公約をした。そして同党は、政権を取り、歴史的な好機を得た。しかし、やるべきことは山積みである。
国民民主連盟が人権状況を変える上で、憲法の規定で警察や内務省などの基幹省庁を管轄している軍が、大きく立ちはだかる。
アムネスティは新政権に対して、良心の囚人の釈放、すべての良心の囚人の最審理、活動家の投獄の廃止、人権弾圧に結び付く法律の改正・廃止などを要請する。
新政府にとって人権状況を改善する絶好の機会である。この機会を逃してはならない。それには、国際社会の後押しが不可欠である。
アムネスティ国際ニュース
2016年3月24日
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