- 2016年1月28日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:イラン
- トピック:死刑廃止
イランでは多数の若者が、18歳未満で犯した罪で死刑を宣告され、苦悩の日々を送っている。アムネスティ・インターナショナルは、1月26日に公表した同国の報告書でその実態を明らかにした。
イランは、依然として未成年時の犯罪に死刑を科している。前進と段階的な改革に胸を張っているが、未成年の死刑廃止には至っていない。
アムネスティの調べでは、2005年から昨年までの11年間に、犯罪当時未成年だった死刑囚73人が処刑された。
また、執行の恐れのある49人の名前と収容場所も特定した。その多くが、死刑囚監房で平均7年を過ごしている。
未成年犯罪での死刑囚の多くは、拷問などで強要された証言にもとづく不公正な裁判で、死刑判決を受けていた。そして、青春を奪われ、死刑囚としてつらい日々を送っている。
改革の一貫で導入された再審理でも、「犯罪当時は精神的に成熟していた」として、再度死刑判決を下された。改革では何も変わっていない。
「人を殺すことは悪いと知っているか」などというごく簡単な質問をいくつかしただけで、裁判官が「成熟」していると判断したケースもあった。裁判官らはまた、年齢による判断能力の低さと、責任能力を問う精神障がいの問題をしばしば混同し、「未成年者は犯罪時に心神喪失ではないので、死刑に相当する」と、結論づけていた。
イランが再度国際外交の舞台に戻ってきたこの機会に、世界各国はそれぞれの外交チャンネルを使って、未成年犯罪に対する死刑の問題を取り上げ、未成年に対する死刑すべてを直ちに減刑するよう要請することが極めて重要である。
アムネスティ国際ニュース
2016年1月26日
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