- 2015年12月17日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:エジプト
- トピック:
国家治安要員から拘置所内で性的虐待を受けた少年(14才)を直ちに釈放し、虐待を加えた治安要員を裁かなければならない。
メイズン・モハンムド・アブドラー少年の家族がアムネスティに語ったところによれば、少年は、繰り返し、局部への電気ショックや肛門への遺物挿入などの虐待を受けたという。警察の狙いは、無許可の抗議活動に参加したことと違法なムスリム同胞団のメンバーであることを、自供させることだった。
この卑劣な虐待の様子は、治安部隊要員が署内で日常的に広く行っている暴力の実態を示している。
9月30日メイズン少年は、武装した治安部隊員に自宅から連行された。母親は、「聞きたいことが2つある。その取調べが終わったら、帰宅させる」と言われたという。
尋問では、ムスリム同胞団のメンバーかどうか、抗議活動における役割、他の参加者の氏名などについて聞かれたという。
いずれも否定すると、何度も殴打され、性的虐待や電気ショックを受けた。
虐待はさらにエスカレートして、肛門が傷つくほどだった。それが「自白」するまで続いた。さらに、国家治安要員は「もし自白を取り消したら、もっと拷問して、おまえの親を逮捕してやる」と脅した。
少年は、同胞団への所属、許可のない抗議活動、抗議活動での勧誘チラシ配布などの容疑で起訴された。そして、15日間の拘禁命令を受けた。これは、15才未満の子どもの裁判前の拘禁を禁止するエジプトの児童保護法違反である。しかも、拘禁期間は繰り返し更新され、2カ月後も釈放されていない。
アムネスティの調べでは、3月に国家治安部隊出身の内務大臣が就任して以来、全土で同様の虐待や拘禁中の死亡、強制失踪などが頻発してきた。
少年の虐待告訴に対して、エジプトは独立した第三者機関による公正な調査を直ちに開始しなければならない。
少年は、自分の意見を言っただけで起訴された。当局は、14才で違法に拘禁されている少年を、直ちに釈放しなければならない。
アムネスティ国際ニュース
2015年12月11日
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