- 2015年9月 9日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:エジプト
- トピック:
カイロ刑事裁判所は8月29日、アルジャジーラの記者3人に対し、虚偽のニュースを報道し、事前の届け出もなかったとして、有罪判決を言い渡した。この裁判は、司法の正義を踏みにじるものであり、エジプトにおける表現の自由を葬りさるものだ。
モハメド・ファフミさんに3年、バハル・モハメドさんに3年半、ピーター・グレステさんに3年の実刑だった。
モハメド・ファフミさんとバハル・モハメドさんは不公正な裁判により、それぞれ7年と10年の刑に服していたが、今年1月、破棄院(最高裁判所)が、2人の有罪判決を覆し、保釈されていた。2人とも再度、破棄院に上訴することができる。
今回の起訴は、まったく根拠がない政治的なもので、3人はそもそも逮捕や裁判の対象とされるべきではなかった。アムネスティは、彼らが表現の自由の権利を行使しただけで収監された、良心の囚人であるとみなしている。
判決は即刻、覆されるべきだ。
アムネスティはまた、モハメド・ファフミさんの希望する、エジプトからカナダへの送還を円滑にすすめるよう、エジプト当局に求める。
裁判所は、他のグループにも類似の容疑で3年の実刑判決を言い渡した。グループには学生も何人かおり、昨年の拘束時、治安部隊に殴打されたという。学生の1人は公判で、6月に再拘束された時、治安部隊に拷問を受けたと述べている。当局は、被告人の虐待の申し立てに対して、早急に、独立した公正な捜査をするべきだ。
今回の判決は、残念ながら氷山の一角にすぎない。エジプト当局は国中で、批判的な独立系メディアを容赦なく弾圧し、封じ込めを図ろうとしている。海外メディアも例外ではない。この2年間で多数の記者が拘束され、現在20人以上が拘束されたままである。
アムネスティ国際ニュース
2015年8月29日
関連ニュースリリース
- 2023年8月24日 [国際事務局発表ニュース]
エジプト:デモ参加者虐殺から10年 人権は悪化の一途 - 2022年10月 5日 [国際事務局発表ニュース]
エジプト:人権戦略導入から1年 深まる人権危機 - 2021年2月 2日 [国際事務局発表ニュース]
エジプト:過密で感染対策もずさんな刑務所 - 2020年8月26日 [国際事務局発表ニュース]
エジプト:性暴力被害を訴えて投獄されるSNSインフルエンサー - 2020年3月17日 [国際事務局発表ニュース]
エジプト:元議員 BBCにコメントして実刑