- 2015年9月 6日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:タイ
- トピック:
人身売買へのタイ海軍の関与記事をめぐり起訴されていたメディア関係者2人が無罪となった。この無罪判決は、表現の自由にとっては歓迎すべき動きだ。
ニュースサイト、プーケットワンのアラン・モリソン編集者とチューティマ・シダサシアン記者は、名誉棄損とコンピュータ犯罪法で起訴されていた。タイでは、第三者や一般の人びとに害を及ぼすようなねつ造や誤ったネット情報を、外国から持ち込むことは違法となる。
ロイター通信は2013年、タイ海軍がロヒンギャ難民の人身売買に関与したとする調査記事を掲載した。プーケットワンがこの記事を一部引用して掲載したところ、タイ海軍に告訴された。
ジャーナリストを無罪にしたのは賢明な判断である。しかし、メディアとして海外の記事を報じたにすぎない彼らの行為が告訴の対象にならないことはいうまでもない。この裁判を通じてあらためて、タイ当局が表現の自由を軽視していることがわかった。
コンピュータ犯罪法は条文があいまいなため、独立系メディアに対する言論封じや嫌がらせに乱用されている。また同法には、人権を侵害する条文が入っている。国際法上の義務として、同国はこの法律を直ちに廃止または改正するべきである。
2人の起訴は、2014年の軍政発足から続いてきた表現の自由とメディアへの弾圧の1つに過ぎない。タイ当局は、表現の自由に対する不当な制限を直ちに撤廃すべきである。また、増加する良心の囚人の収監も同様だ。
アムネスティ国際ニュース
2015年9月1日
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